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ゲームとポリコレ(Horizonアーロイ・ブサイク問題)

再三述べている通り、僕は20代で長期ニートへ突入しました。その間の娯楽といえばもっぱら将棋とギター。理由はシンプルで、お金がかからないからですね。
大学まで立派な趣味だったゲームを再開したのは、30代に社会復帰して金銭的に余裕ができてからです。

まずは『龍が如く』にドはまりして。シリーズ作品を片っ端から10作くらいプレイ。し冷めやらぬゲーム熱で手に取ったのが、今回扱う『Horizon Zero Dawn』でした。

2017年発売、オランダ発の洋ゲー。いわゆるオープンワールドというジャンルで、とてつもなく広いMAPで、果てしなく色んな楽しみ方が可能です。
本シリーズの売りは何といっても美麗なグラフィックと世界観にあります。とある事件をきっかけにリセットされた原始のようなフィールドと、闊歩する「機械獣」のサイバー加減の対比がとにかく秀逸。
一言で、アナログとデジタルのキラキラ加減が見事に一体になっています。

 

さて、そんな大ヒット作の続編『Horizon Forbidden West』が昨2022年に発売され、大いに話題を呼びました。
ただその理由が、かなりパンチきいてまして。
「あれアーロイ(主人公)、ますますブサイクになったんじゃね?」
あまりにもひどい言い草ですが、界隈は本当にこんなセリフで溢れてました。

 

出回った画像の代表例がコチラです。
落ち着け、なんて煽りめいた台詞も手伝って、憤慨するユーザーが多発しました。
かくいう僕も腹を立てるほどではないものの、
「どうした! 今回は顔面を蜂に刺される話なのか!?」と戸惑ったくらいです。

ヘイトの対象は、近年エンタメ業界で頻繁に話題にあがる「ポリコレ配慮」疑惑に向きました。女性キャラは、過度に美しすぎず、露出は控えめで、私ってサバサバでしょのキャラ設定になりがちです。

 

実は、前作の時点でこの点はそれなりに指摘されてました。

モデルの女優さんがいるのに、あえて造形を崩されている。



原神】アーロイは初期案は普通にカワイイキャラだったのにな・・・ | 原神まとめちゃんねる!旅人速報

初期デザインと比べてもだいぶたくましくなっている。

 

加えて、今作の顔パンパン化。

 

ビジュアルが評価されるゲームであり、システム面は着実に進化していただけに、主人公アーロイ本人の悪評が際立ちました。
2020年に発売された『Last of usⅡ』(ラスアス2)でも主人公ブサイク問題が炎上が起きていた経緯もあり、なんでこんなシモブクレ動かさなあかんねんという言葉の矢が、弓の名手アーロイに集中砲火。まあ、彼女が実在していたら1ミリも気にしないでしょうけど、主人公がこういう扱いなのはゲームとして幸せなことじゃないですね。

 

実際、Horizonシリーズにポリコレの意図があったのか?という点は結構微妙です。
主人公は白人。神様ポジションは黒人。他の主要ポジションには白人黒人がほぼ均等に振り分けられていて、脇にちょこちょことアジア人が顔をのぞかせます。
舞台設定は(1000年後の)アメリカだし、あらかじめ保存しておいた人類の遺伝子を再構築する~みたいな話の流れからしても、このサラダボウル具合に無理はないように思う。とってつけた感満載で逆に失礼なLGBTQ展開もありませんし。

ラスアスは比較的最近なので、パンデミック時に人種はそんなうまく混ざらないだろとつっこみたくなりましたが。

 

にしても、洋ゲーで日本人っぽい人って見かけませんね。モンゴル人やフィリピン人、まれに韓国人っぽい人は見かけても、日本人っはいない。そんは特徴難しいんかな、と。日本舞台の『ゴーストオブツシマ』はさすがにそれっぽいのいますが、時代が古すぎるし、主人公の造形も濃すぎてちょっと変なおじさんみたいになってます。

 

ツシマの主人公境井仁さん。なんだチミはってか!?と言ってるように見える

真相は分かりません。どこにでもいそうな女の子が活躍することで、男性目線でない、ありのままの女性の魅力を!とやりたいのかは定かじゃない。

でも、これは既プレイ勢がよく言うことなんですけど、物語を進めるごとにアーロイはどんどん可愛くなってくるんですよ。老若男女に「なんだお前」と終始タメ口をきくアーロイちゃん。どんな無茶苦茶な頼みも「要するに取ってくればいいんだろ?」と安請け合いしちゃうアーロイちゃん。半ば捨て子で生まれてオシャレに頓着しないだけで、ドラゴボ悟空みたいに人を惹きつける魅力があります。せめてサザエさんヘアーは変えて欲しいと思いますが。

映画にしろ、ゲームにしろ、女主人公特有の見られ方ってどうしてもあります。まず恋愛要素。あとサバイバル系なら、逆賊に捉えられたりしたときに性的虐待を受けないかとか心配してしまう。そういう展開は安易にありますしね。

 

Horizonシリーズに関してはそういうしがらみがほとんどなくて、わりと新鮮な感覚でした。もし作者にそういう意図があったなら、大成功といえるでしょう。それが人間の住む世界を描く上で正しいやり方かは置いといて。
女性だから、となにかと特別扱いするのはよくないけど、実際問題、力の差から配慮の気持ちがあったほうが社会として優しいと思うので。

ただ、今後ゲームの世界基準が本格的に「綺麗すぎる人は出ちゃダメ」になるとしたら、なんとかアーロイラインで手を打ってほしい(ビジュアルホライゾンと名づけよう)。何事も落としどころが必要です。

映画もそうなんですけど、間伸びしそうな時に”画がもつ”って要素はあなどれません。『Horizon  Saitama crysis』が発売されたら朝日奈央ちゃんでお願いしたいです。人を傷つけない可愛いの最高峰。

 

あと話はちょっとズレますが、久々にゲーム復帰したときは、キャラの外見なんかよりもっとしんどい点が多々ありました。
基本洋ゲーって専門用語だらけ。あと文字アーカイブでストーリーの奥深さを出そうとしすぎ。利用規約じゃないんだから、こんなんよう読みませんて。

 

本編の重要な会話シーンですら、

「エリザベト・ソベックの開発した通信輸送プロトコルを使うには、パルスジェネレータを使ってオメガ資格を取得したうえでジェミニのコアにアクセスする必要がある。まずはベータを焦土の光に送ってオセラムをせき止める。その間にヴァ―ルはテナークスの勇士を集めて、回遊するヘファイストス補足プロセスに関するデータを収集してくれるはずだ。ホロデータの悪意ある復元用レジストリが破損していた場合は予備のフォーカスでホルス級タイタンから……」

こんなんですから。(文章はいま適当に作成)
ちなみに”ベータ”はキャラクター名で、”焦土の光”は地名、”ヘファイストス”はシステムの名前です。初見時は色分けするなり、もうちょっと直感的に分からせてほしい。

僕は3周目でやっと楽しめるようになってきました。
1回目2回目がよくわからんままにできちゃうのは操作性がめちゃくちゃ気持ちいいからで、それもすごいことなんですね。『ファークライ』シリーズなんていまだに話いっこも分かんないのに毎回買っちゃう。

 

というわけで以上。
人類を救いたすぎてすごい顔になっちゃうアーロイが、僕は好きです。