眠眠カフェイン

横になって読みたい寝言

眠眠カフェイン

いざゆかん、人の痛みと恥じらいを極めた場所へ

またしてもおひさしぶりです。
仕事に忙殺され、定時で爆睡→深夜に起きて次の日もヘロヘロみたいなループを続けておりました。この頭が冴えた1時間で最近のことを書きたいと思います。

最近の変化といてば、なんといってもついに”あの場所”へ行ったことですね。
子どものころからのトラウマ。大人になっても怠け続ける自分への引け目。挙げればきりがないしがらみから約10年逃げ続けて、やっと自分をさらけ出す気になったのです。

そう、その場所とは

 

歯医者―――。

 

いやあ、本当に久々でした。
痛みを感じても知らんぷりして、2~3日もしたらどっかいく。質の悪い借金取りみたいな歯痛アイツですが、残念ながら今回は帰ってくれませんでした。

土曜日の夜にWEB予約可能なクリニックを探して、翌日出来るだけ早い時間に予約。歯医者食べログみたいなサイト★2.6くらいでしたが、そんなものは知りません。「あえて治療を遅らせてその分治療費を取るという噂が…」的なことも書いてありましたが、それも無視。歯に物がはさまったような物言いは無視無視の虫歯菌なのです。

ずっと気にしてはいたんです。言わば冷蔵庫の中にアジの刺身をずっと入れていた気分というか……自分の口の中がとんでもない状態になっているかもしれないということを。
もちろん、毎日磨いてはいるんですよ。ただ疲れてサボり気味になった日もあるし、特別いい器具を使っているわけでもない。なにより10年前、最後に歯医者へ行ったときに、すでに「虫歯になりかけです」との宣告を受けていたのですから。

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翌日、ようやく訪れたクリニックは昔のイメージのままでした。思わず後ろ手を組んでフロアを歩き回り、「ここも変わってないなあ」とニンマリしたいくらい。不思議なもので一度覚悟さえ決まってしまえば、怖さは驚くほどなくなるんですよね。薄毛を髪ングアウトしたときも、きっとこんな気持ちなんでしょう。同じ悩みを持つコミュニティの温かみがそこにはあったのです。

担当医はびっくりするほど女医でした。声がでかくて、確信に満ちた物言いをしていて、日ごろ子供に接しているせいで謎の包容力があるのに、まるっきり人への忖度を感じない。そして、そのムダのなさがまた信頼感に100%変換されるような。童心の”歯医者のお姉さん”そのものです。

 

いよいよ治療がスタート。
まるで映画館の幕が開くような荘厳さで、僕の目に幕が下ります。
(しゅ、主人公は僕だ!)
ハンカチを握りしめて施術を受けました。

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感想はというと…ためていただけあって、痛みのアラカルトという感じでしたね。
まず麻酔が痛い。小鏡が歯ぐきに刺さるのも痛いし、フロスみたいなので歯ぐきを検査されるのも痛い。途中からどれが必要な痛みか分からず全部アガガガガと耐えていたら、
「だから手上げてっていってるでしょ!」と女マフィアみたいな口調で怒られ、麻酔クスリを追加投与されました。

中でも一番に辛かったのは、1時間ものあいだ口を開き続けなければいけないことです。僕は口が人より小さいらしく、表情筋をキープするので大変でした。すでに口をフルに開けている状態で
「はい、口を開けてくださいねー」
と言われる絶望感わかりますか?

しまいには小型のレンガみたいなのを挟まれ、開いた口が塞がらない(物理)の状態に。おかげで治療後も表情筋が戻らず、施術中は笑ったときのくりぃむしちゅ~上田さんみたいな顔で過ごす羽目になりました。

治療費は実に8,000円。
まあ久々だしそうなのか、と普通に領収証を眺めていたら、明日花キララみたいな受付の女性から「初診なので結構するんですよねー」と補足説明がありました。きっとクレーマーもたくさんいるんでしょう。ただキララは全然目を合わせようとせず、こういうところが★2.6なんだろうなあと妙に納得してしまいました。

 

すべてを終えた帰り道。
これから毎週の通院が始まるということで、週末が近づく喜びに、ちょっとした苦みが加わったのは残念でなりません。
…とはいえ、やっぱり行っておいてよかったですね。もちろん虫歯は2本くらいあったし、折れてしまった歯に仮歯を入れるとかいろいろあるんですけど、思ってたよりはだいぶマシ。なにより、見てみないふりをしていた時より心が晴れやかです。

そんな時、さっきのキララから着信が。
「ごめんなさい、お会計間違えちゃって!名前のところ違う方になってますよね!ネムヒコさんは4,000円でした!」
と大慌てで訂正があり、クリニックに引き返すことになりました。

キララにも可愛いところがあるんだな、と僕の中では★3.5くらいに上がったのですが、きっと世間のクレーマーにとってはこういうところが★2.6なんだろうなあと妙に納得したのも確かです。

 

まあ、みんな、歯磨けよ!