眠眠カフェイン

横になって読みたい寝言

眠眠カフェイン

日本的エロティシズム会話論

世の中リテラシーだなんだで性のにおいがどんどん消えていきますね。
何かしたらハラスメントって言われちゃうから、話題にするのも気を遣う。

でも、特に若いうちは、恋人になるってそういうことでしょう。
友達づくりならサークルでいいわけですから。
その辺をちゃんと教える、気概のある大人がいてもいいじゃないかと。

 

男にはどうしたって踏み込まないといけない時があるのです。
右から男が、左から女がぼーっと歩いてきて、レゴみたいに凸凹がガシーンとハマることはありません。
(僕は男女しか知らないのでこういう例えですが、自由に変換してください)

男は「危なくないよ」といいつつ攻撃を仕掛け、
女は「軽くないよ」といいつつ隙をつくる。
矛盾含みの無理ゲーに見えるけれど、実はお互いに近づいてるわけです。実は好かれたい者同士が、暗黙の駆け引きを打っている。その面白さを知らせずして、若者に恋愛はめんどくさいなんて思わせちゃもったいないですよ。

「この人良い人かも」を「この人なら良いかも」に持っていく。
そこには性の概念を持ち込む土壌をつくらなければいけません。

 

では具体的にどうするか。これが意外と難しい。
警戒心を解こうとするあまり清潔感・紳士面を押し過ぎると、ゴメンそういう目では見れない…となってしまいます。

かくいう僕も、DT時代は良く言えば「無害」、悪く言えば「そっち方面に興味がなさそう」と見られがちだったので、どう匂いを出していくのかがまさに課題でした。

「こいつ鹿だな、、、」と思わせて距離を詰めつつも、来るべき時には「待ってチーター!?あ、食べられるのって悪くないかも…」と変換させたいわけです。

 

日常と非日常の境界線。無味無臭の世界を打ち壊す微妙なラインを突きたい。
ただ、探してみると結構チャンスがあったりするんですよ。

たとえば、「何フェチ?」「SとMどっち?」といった話題。
よく考えるとすごい事じゃないですか。
あなたはどのスイッチで興奮するの?を直球で問いかけているわけですからね。もちろんその「興奮」が完全に性的でなく、”グッとくる”くらいのニュアンスで留まっているから使えるわけですけれども。
とはいえなかなか倒錯していると思いませんか。こんなんが職場のちょっとした飲み会でも登場してくるなんて。
日本は露骨なセックスアピールがない代わりに、こういうむっつりトークデッキがそこかしこに転がっているのです。
これを利用しない手はありません。

 

観察してみると、やっぱりモテる人はこういう質問をうまくフックにしてますね。
陽キャは「じゃあ俺ならどう?」などと身体的な距離を詰めるし、言葉巧みな人は「それって変な話‥‥」とじわじわ露骨な話題へつなげていきます。

「そっかキミMなんだ!俺はどっちかっていえばSだな~」なんて自分語りに終始してるやつはいつまでたってもD(童)& T(貞)。
すべてに言えることだけど、大事なのはギブアンドテイクです。自分を受け入れてほしいなら、まずは相手の成り立ちを知らないといけません。

僕はあなたを良いと思ってるから、僕について考えてみて、と。
そうして相手と自分を混ぜるから、独り言が他人事になって、2人ごとになっていくんですね。トークが上手いというとスラスラ~っと喋れることと思いがちだけど、いかに相手を話しやすくするかだと思います。

 

別にとびきり面白くなくてもいいんですよ。

「私は手フェチかなあ」
「結構多いですよね。タイピングしてるとことか、缶コーヒー持ってる時がいいとか」
「そうそう」
「〇〇さんも指長くてきれいじゃないですか。だから余計、人のも気になるとか?」
「えーはじめて言われたかも嬉しい」
「僕、ギターやってるんで左のほうが指長いんですよ」
「そんなことあるの!?」

とか。何気なくお互いを観察するようなやりとりは大事だと思います。
そんなんして手触ったりしてると、人としての距離は自ずと縮まり、自然に没入感が生まれますから。ただ、そのためには自分語りだけを延々ぶつけるだけでは無理ってことですね。
※こういうネタに絡んで手相占いがいいとかもよく言われますが、さすがに露骨すぎるし興味がないので僕はやる気になりません。

 

重ねて言いますが、すべてはギブアンドテイク。
転がってきた球すべてを、
「俺のシュートチャンスだ!」と蹴り飛ばしても仕方なくて、いかに気持ちよくパスを繋げてサッカーにするかが大事です。

手っ取り早く、正面突破で
「手とかいいからおっぱいだ!おっぱいを見せろ!」とPKを希望する気持ちは分かりますが、相手は1人の人間です。サイドから攻める、スペースを作るなど、観察眼を磨くのが大人への近道なんではないでしょうか。

凸凹だけじゃなく人間として繋がるようにしようね、というお話でした。
あんままとまってないけど以上!