眠眠カフェイン

横になって読みたい寝言

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人間関係自分史史上最大の謎事件が起こりました ~蛙化現象の亜種みたいなヤツ~

以前よりお伝えしています、僕を今の会社に誘ってくれたできる営業マン・Y君。
なんと彼と、一瞬で絶縁してしまいました。
そして、絶ったのは僕の方です。

共感を得るのは非常に難しいかもですが……。
端的に、起きたことを伝えたいと思います。

 

僕らはいつも通り、金曜の仕事納めにサウナに行きました。こんなのもほぼ毎週になったし、向こうはだいたい家族同伴だし、マブといっても過言ではないくらいです。ベビーカーを折りたたんで、一緒に花月でラーメンを食べて。俺は誰なんだと思いながらも、なんだか微笑ましい時間を過ごしました。

事件が起きたのはサウナから上がる直前。
髪を乾かして、服を着て、ロッカーにある長椅子でなんとなくだべっていた時でした。
スマホの写真を色々見せあっていた時に、ふと思ったんです。
彼になら妻の写真を見せてもいいかも、と。
僕は基本的に私生活を晒さないので、これは極めて珍しいことなんですけど。向こうは家族一丸でつき合ってくれてるわけですから。

それに対するY君の反応は、
「へー、なんかいい人そっすね」の一言。ほんの少しだけ一瞥しただけで、待たせてるからそろそろ行きますか!と急ぎ足で妻子の元に向かっていったんです。

これで、終わり。
僕は駅の改札でいつも通り若夫婦に別れを告げると、LINEでY君に今後もうプライベートで会わないことを宣言しました。

 

分からないですよね。
いや、ほとんどの方が分からないと思うんですよ。
Y君は「気分を害したらすみません」と謝りながらも、一方的すぎる、理解できないといった風に半ば喧嘩腰で反論してきました。

でも、僕の中では確かに、過去の人生でないくらいの激萎え感覚があったんです。自分が初めて素を晒した瞬間に、軽く流せるのって何なんだろうと。
別に、”可愛い”とか”お似合いですね”といった言葉が欲しかったわけじゃないですよ。何気なさ過ぎる対応だからこそ、自分の中の何かがはじけてしまったわけですね。

 

恋愛とは全然違うのに、なんだか巷でいうところの『蛙化現象』ってこんな感じかなと思わされました。僕を自分の会社に誘うくらい買ってくれて、考え方や、笑いのセンス、人間観察力などいろんなところに興味を持ってくれた。その信頼している存在が、僕の大事な存在に関心を払わなかったという事実に、全身の血の気が引くくらい冷めてしまったんです。強固な器が、一点を針でつついたら瓦解するみたいに。

 

あ、そこ興味ないならプライベート話したくないわ。
そっちのプライベートも興味なくなったわ。
だからもう、プライベートで会わなくていいよね?

 

自分の中のいい女みたいなメンタリティが、一方的に目の前の男を振ろうとするのです。実際は男対男だからそんな感じでもないんですけど、僕は「男は女を殴らないわよね」と決めつけたみたいな横柄さで、一方的に決別を言い渡しました。

 

週末は不毛なLINEが続きました。

ネムヒコさんが奥さんを大事にしてるみたいに、俺だって奥さんの声を優先したんですよ!」
「そんなんわざわざ言わんでも知ってるって。それが強すぎて相手を見れてないのが問題なんだから」
「じゃあどうしろっていうんですか!同時は無理っすよ!」
「普通に、”後でゆっくり見せてください!”って言っときゃいいじゃん。本当に興味あるならなんとでもなるでしょ、ほんとに営業?」
「そもそも俺はこうやって、LINEで長文とか嫌いなんですよ!面と向かって、せめて電話で話してください」
「いや、なんで休日に電話で拘束されなきゃいけないの。君がLINE嫌いとかそんなん知らんし、好きなタイミングで返させてよ。こういうとこから違うんだよ。全部の、センスが」

あんなにジューシーだったのに、まるでケンタッキーの皮みたいにあっけなく乖離する僕らの価値観。最後に「俺は俺なんで!嫌われるとか気にしないんで!」と言い放つ彼に、その宣言がまず違うんだよなあ……とため息が出ました。

 

翌朝、目を覚ましたら罪悪感で身体が重いかな…とか予想してたらそんなこともなくて。
むしろ過去のアルバムをさかのぼって、Y君のデリカシーのない一面がすべて嫌になりました。僕は彼のおかげで今の会社に入れたことから、色々目をつぶっていたのかもしれないですね。

雑だけどサッパリしたヤツ。
サッパリしてるけど雑なヤツ。
当たり前だけどこれって表裏一体で。雄々しく歩むワニも裏返したら間抜けじゃないですか。

ワニとカエルでややこしくなっちゃったけど、これだけ。
入社100日くらいで死んだ友情の話でした。