眠眠カフェイン

横になって読みたい寝言

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やつあたり骨折、痛杉内俊哉

今回は、前のブログでよく読んでいただいた投稿を再掲しようと思います。
2019年に横浜DeNAベイスターズのパットン選手が冷蔵庫を殴って右手を骨折したのに関連して。


日本プロ野球界では、2004年の杉内俊哉選手(当時ダイエー)が同じく利き腕でベンチを殴って以来の珍事でした。商売道具でやつあたりするなんて、社会人として不適格としか思えない行動です。しかし、僕には責めることができません。

 

だって、経験者だから…。

 

リアルでは恥ずかしくてなかなか言えませんが、ブログはむしろそういう過去をさらけ出すべきもの。これを機に懺悔していきたいと思います。

 

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\まずは基本情報の紹介だ!/

●殴ったのはどこ?→飯田橋駅の壁(コンクリート

●殴ったのはなぜ?→営業部長に腹が立って

●繰り出した技は?→右ストレート一閃

●ケガの具合は?→中指半壊、薬指&小指は甲のほうまで完全破壊

 

当時ブラック企業で働いていた僕は、寝不足、クレーム対応、営業部長(直属の上司)からの理詰め&暴力(R&B)でかなり弱っていました。おまけに良き相談相手と慕っていた総務の女性が営業部長とデキているという罠。僕が裏で愚痴ると、イビリがエスカレートする地獄絵図です。

 

当時知り合いに送ったメールは、
「今日は疲れたから@ぱsjふぃjjわえいお;fぇk」
とバグりまくっていました。シラフなのに。まあ、いろいろ限界だったんでしょうね。

 

そしてある週末の夜中3時。
長い長い飲み会という名の説教の帰り道に、とうとう僕は壁を殴ってしまいました。

発端になったのは飲み会中の一場面。営業部長は僕を壁際に立たせて固定し、ギリギリ当たらないように後ろの壁を殴るというくだらない遊びに興じてました。(柔らかい木の壁だからケガしない) 
「部長やりすぎじゃないっすかー?」とニヤけて焚きつける子分たちも含め、僕のフラストレーションが限界に達します。

 

パァン。

 

人もまばらな深夜の飯田橋駅に、直径2メートルのおせんべいを割ったような乾いた音が響き渡ります。全神経がぎゅーっと拳に集中して、意識が遠のいていく。一発でヤバイことになったとわかりました。

「お前、何してんねん!」

どこかから飛んでくる先輩の声でなんとか我に返ると、そのまま緊急外来へ。応急処置を終え、握力0で後悔を握りしめながらファミレスで始発を待ちました。

 

パットン選手と杉内選手の場合は第5中手骨骨折。つまり小指をやらかしたわけですね。いっても小指ってものすごく弱いので、手打ちでもスコーンと一本だけ折れるのはよくあること。

その点僕の場合は、『はじめの一歩』に感化されて3か月くらいボクシングジムに通ったけどサンドバッグとなわ飛びしかさせてもらえなくて月謝2万円は高すぎてやめたという経歴の持ち主。基本通りに腰を回し、肩を入れて、足で押し込み、拳をねじり、しっかりと壁に力を伝えてしまいました。結果、飯田橋駅からヘビーカウンターをもらう結果に。中指から右半分が甲もろとも逝きました。

 

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気分は輪島功一対柳済斗の15R。魂の右です。

 

週明け。営業部長には「草野球でダイビングキャッチをした」とダイナミックな嘘をついて、普通に仕事しました。スーツからはみ出すミトンみたいなギプスが明らかに異質です。

ただ、おかげさまでその時期は営業先での受けが抜群。飛び込み営業をしようものなら「ああ、骨折の子!」と一撃で覚えられるし、怪我の功名っていうのもあるんだなと思いました。(しかし名刺交換のもたつき具合といったらない)

一方ホームであるはずの会社では逆にそのミトンめがけてパンチされるという新種のイビリが生まれ、どこまでいっても心が休まることはありませんでした。

 

 

後日あらためて大きな病院に行ったところ、レントゲンは完全におせんべいを割ったときのそれ。拳に7〜8センチのボルト3本を刺し入れる手術をすることになりました。腕の付け根をバンドできつく締めて、局部麻酔を終えると、仕切り布の向こうでゴリゴリゴリ…。手術室には気休めのようなヒーリングミュージックが物悲しく響きます。

拳の改造手術なんてなかなか得難い経験をしたとはいえ、手術中ずーっと腕をぞうきんで絞られてるみたいでそれなりに痛かったし、ロックバスターくらい出せるようになっていないと割りに合わない感じでした。

 

あとは話のタネにしていくしかないんですが…その点、妙な巡り合わせもあるもので。

僕と杉内俊哉氏は身長が同じで、同じ九州出身、生年月日もまったく同じです。あなたと私がやつあたりしたから、10月30日はやつあたり記念日ですね。

ちなみに、同じ日には元K-1選手チェ・ホンマンが韓国で爆誕し、鬼束ちひろさんもこの腐敗した世界に産み堕とされています。この日に生まれた人が何かをぶん殴るのは宿命みたいなものなのかもしれません(鬼束さんはただの想像だけど)。


ということで、短気は損気。みなさんくれぐれもお気をつけください。どうしても許せないヤツがいたら、写真を撮らせてもらって月謝払ってサンドバッグに貼って殴るのを推奨いたします。