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芸術の秋!ひゅーっと観られる映画10選


なにげに映画を数百本見てきた私です。

特に大学時代(2000年代)は授業の課題で観ることもあったし、TSUTAYAで5本レンタルして返してすぐ借りて…とひたすら繰り返してました。とはいえ大半は、面白かったor面白くなかったくらいしか記憶に残っていないんですが。

そろそろ本格的に秋になりますし、比較的記憶に残っている好みの作品を10本ご紹介します。にわかもいいところですので、くれぐれもガチ目のレポートは期待しないでくださいね。

 

 

モーリス(1987)

ヒュー・グラント出世作。古さ&重めのテーマに敬遠していましたが、2018年にリストア版が出たので見てみることに。見て早々、お前がモーリスちゃうんかい!とツッコんでしまいました。(ヒューさん役名はクライブ)

同性愛が犯罪だった20世紀初頭のイギリスを舞台に、ケンブリッジ大学同級生2人が惹かれあう葛藤を描いています。強烈な階級社会ですから、名家の息子が「俺ちょっと変かも…」と相談でもしようものなら悪魔払いされるほどの騒ぎに。昔の映画らしく会話中心でまったりとした展開ですが、何気ない会話にも緊張感があるので見た目よりは飽きづらいです。

中身はさておき、ヒュー・グラントのあどけなさは貴重ですね。男とじゃれあってじゅうたん(?)でぐるぐる巻きにされるシーンは必見です。相手の性別がどうあれ、すぐ調子に乗って「君とはもう終わったはずだが感」を出すのは変わらないんだなという。

 

フォー・ウェディング(1994)

またまたヒュー・グラント出演作です。友達は多いし恋愛もする。けれどなかなか運命の人と巡り合えないで、気がつけば友達の結婚式に参加してばかり。そんなとき偶然出会ったアメリカ人女性・キャリー(アンディ・マクダウェル)に一目惚れし、これでもかと振り回されていくことになります。彼女がまた凄まじい良い女風を吹かせるので、大学の頃は「誰でも惚れてまうやろ!」と悶絶したものでしたが、最近観たらただの嫌な女にしか見えませんでした。僕、成長してた。

のちに”ラブコメの帝王”と呼ばれるヒュー・グラントらしく予定調和のドタバタ系かと思いきや、同性婚や人の生き死に絡んだりと風刺的な一面も。原題には「Four Weddings and a Funeral」と、Funeral(葬式)の一語が入っています。(Forじゃないんかい!っていうね)

見どころは眼鏡のヒュー・グラントです。軽薄すぎてふられるんじゃなくて、明らかに場数で負けてタジタジになるっていうのは相当レア。

あとミスタービーン出ます。

 

ウェールズの山(1996)

またそそらない題名ですよねー。僕もヒュー・グラントが出てると聞かなければ決して手を出さなかったでしょう。

舞台は20世紀初頭のウェールズ。小さな村の人々にとっての聖地が、丘<305メートル未満>なのか山<305メートル以上>なのかをめぐって揺れるという、わけの分からない展開です。最初は測量士に丘と判定されてしまうんですが、納得がいかない村人たちは5~6メートル分の土を盛ることを決意。あの手この手で測量士一行の足止めを画策します。(一度帰っちゃうと次いつ来るか分からないし)

宿屋の店主役のコーム・ミーニーをはじめ脇を固める役者陣がいい味出してますが、ただ話が面白いのが好き!という人は飽きるかも。

そんな中光るのが測量士役のヒュー・グラント。まったく女慣れしていないような風貌ですが、最後はしっかりオトします。

 

ノッティングヒルの恋人(1999)

僕がこれまで観た中で一番好きな映画であり、はじめてヒュー・グラントと出会った映画です。アメリカの大女優アナ(ジュリア・ロバーツ)と、町の小さな本屋を営む青年ウィリアム(ヒュー・グラント)が曲がり角でドーンとぶつかるという、絶滅寸前の王道ストーリー。ウィリアムの友人たちがとにかく個性豊かで、日常シーンは映画とドラマの中間みたいなポップさが漂います。

一方でエルビス・コステロが歌う主題歌『She』をはじめ、音楽×演出の演出が効果的。さりげなく街を歩くだけで、背景が舞台のかきわりが廻るみたいに季節を変えていく。随所に光る丁寧な演出が映画らしくびしっと締めてくれます。

大学時代、オーストラリア旅行中にたまたま買ったDVDがこれでした。英語字幕をヒイヒイ言いながら訳して観たのが逆によくて、ヒュー・グラントの使う回りくどいイギリス英語が、なんとも硬質で気持ち良く感じました。「melodramatically」の発音とかセクシーすぎる。

にしても、見事にモテ男のオーラを消しきるヒューさんはすごいの一言。

 

ブリジット・ジョーンズの日記(2001)

シングル女性の悲哀を面白おかしく描いた超有名シリーズ、1作目。ブリジット役のレネー・ゼルヴィガーがイギリス英語を身につけ、13kg増量して臨んだことでも話題になりました。もともとガリガリのイメージでもないし、太っても全然かわいいですけどね。どっちかというと演技面のはっちゃけ方がすごい。

ヒュー・グラント演じる軽薄上司と、堅物のコリン・ファース。豪華すぎる&似合いすぎるキャストはエンタメとして安定感抜群です。この作品で、ヒュー・グラントは「シャツの胸元開けて誰にでもちょっかいかけるチャラ男」、コリン・ファースは「たまたま目の前で自分の悪口聞いちゃったけど気まずいから棒立ちのダサ男」のイメージが強烈についてしまいました。187センチあるしとんでもなくイケオジですけどね。

この作品に限っては出演俳優MVPが簡単に決められない。それこそブリジット並みに悩むところです。

 

アバウト・ア・ボーイ(2002)

持ってるDVDの中で最多視聴数を誇るのがこの作品。名シーンは?というと思いつかないんだけど、じわじわ面白い系です。

かつてクリスマスソングを大ヒットさせた亡き父の遺産で暮らす、ニートのウィル(ヒュー・グラント)が、少年マーカス(ニコラス・ホルト)と出会い変わっていくさまを描きます。簡単にいうと好きな女性に認められたい!ということなんですが…ヒロイン役のレイチェル(レイチェル・ワイズ)が抜群にかわいい。

相手に知的好奇心をもって、すこしせっかち気味に「あなたの職業は?」と聞くレイチェルに、しどろもどろのウィル。それを見て幻滅するレイチェル。ここの緊張感が元ニートとしては身につまされるものがありました。のちにヒュー・グラントは、「彼女にはガチで軽蔑されてた」と語っていて、そういうリアリティもあったのかも。

ほかの見どころとして、とにかくヒュー・グラントのルックスが異色すぎます。ニート役ということで私服だし、クセ毛中分けヘアーでもなく短髪だし。僕はこの映画の影響で、青いブルゾンを買ってしまいました。

 

ラブ・アクチュアリー(2004)

飽きさせないという点では全映画通して屈指だと思う。クリスマスに向けて5週間の物語が進んでいくので、これからの季節にぴったりです。

作中では約10組のカップルの恋愛模様が描かれ、男Aと女Aが出会い、男Aの息子男Bと女Aの上司である女Bが出会い、と複雑に絡み合っていきます。さすがに10組はやりすぎたのか、イギリス首相役のヒュー・グラントのパートにいたっては、出会い→別れ→出会いが各1シーンとかで予定調和が限界突破。まあ、それでも演出が上手すぎて観ちゃうんですけどね。個人的にはキーラ・ナイトレイのパートで泣きそうになりました。
(相手役バイきんぐ西村さんみたいなのに超絶かっこいいです)

人種、障がい、同性愛、貧富の差、言葉の壁、シングルファザー…。さまざまな属性のちらし寿司を、クリスマスのキラキラで包みました、とう感じ。キャストはファニーフェイスが多いので覚えやすいです。

ヒュー・グラントがバカみたいに躍るし。コリン・ファース出るし。どこかには刺さりますって。

あとミスタービーン出ます。

 

ラブソングができるまで(2007)

全然覚えてないけど、ヒュー・グラントドリュー・バリモアだし悲壮感少な目で最後二人で歌って終わる70点ムービーじゃないですかね。損はないと思います。

こんなことも言ってます↓

ヒュー・グラント、「ドリュー・バリモアが大好きだ」宣言! スキャンダルの渦中に起きた秘話を明かす - セレブニュース | SPUR

 

噂のモーガン夫妻(2010)

ヒュー・グラントもいよいよ50歳になりました。年を重ねて、夫婦役なんかやったりしてます。相変わらず金持ちだし、浮気を許してくれない奥さんにずっと謝り続ける役なんですけど。

ニューヨーク不動産界の有名人のメリー(サラ・ジェシカ・パーカー)と敏腕弁護士のポール(ヒュー・グラント)は、別居中にある事件を目撃して殺人犯から逃れることになります。隔離されたのはワイオミング州の田舎町で、ニューヨーカーには苦痛すぎるほど何もない土地なんですが、夫婦のきずなを取り戻すには良いきっかけになるとか、ならないとかそんな話です。

サスペンス要素は申し訳程度なので、いくら撃たれようがいっこうに死ぬ気がしません。いや誰かしらはたぶん死んでるんだけど、全く死んだ気がしない。そんなことよりクマに襲われながらもブリティッシュジョークを飛ばすヒュー・グラントを見てほしい。そんな映画です。

 

マダム・フローレンス!夢見るふたり(2016)

音痴のソプラノ歌手として知られる実在の人物フローレンス(メリル・ストリープ)と、彼女を支える年下の夫(ヒュー・グラント)の物語。彼女は自分が歌がうまいと信じ切っているので、観客を厳選したり、批評が乗った新聞を買い占めたりして献身的に奔走します。

ヒュー・グラント出演作って一言でまとめると”ある街で恋愛しました”で終わるのが多くて、こういう実在の偉人みたいなのはあんまりないんですよね。ほかの映画に比べるとヒュー・グラントの枠を超えて役になりきっている感は強め。なんだったらしっかり妻に尽くしちゃったりして、隔世の感があります。まだ愛人もいるし、弱いのに喧嘩して髪ぼさぼさになるんですけど。

映画自体はアメリカ版三谷幸喜が撮ったような、派手派手しくデフォルメ強めの演出。分りやすくていかにも受けそうだけど、レビューサイトではそうでもないのが意外ですね。構成上、心が沸き上がるミュージカル的感動はないので、盛り上がりは欠けるのかもしれません。

 

***

映画10選、いかがでしたでしょうか。
当たり前のように特定の俳優ばかり出てくるのに面食らった方もいるかもしれませんが、好きなものは好きなのでね。自然にちりばめてしまいました。

僕くらいになると、将棋の羽生さんが笑った時の口元ですらヒュー・グラントを思い出してしまうのです。(誰も賛同してくれないけど)

ぜひ、みなさんの映画ヒュー論も聞かせてくださいね!