眠眠カフェイン

横になって読みたい寝言

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”TH”の発音が分からないまま数十年

今後英語を使う予定は一切ないんですけれども、映画とか見てると「これ流ちょうに発音したいな~」とか妙に興味はあって。そんなとき執拗に邪魔してくるのがタイトルにもある"TH"ですね。苦手な理由はいろいろあるんですけれども。

ほかにはフランス語の”R”もそう。喉の奥で鳴らすやつです(動画参照)。
あれ、空気の振動だけであまり音量が出せなさそうですが、もし自分の子供の名前にRが入ってたら(ピエール君とか)、1階の母親が2階の子供を大声で呼ぶときどうするんだろうなあとか。

「ご飯できたわよー!ピエー(ケケケケケケケケケ)ール!」とかなんないでしょたぶん。

そんなことがムダに気になってしまいます。

 

※参照:フランス語のR講座(かわいい)

 

さて、話を戻して今回は英語の”TH”ですね。
ギターでいえばFコードに匹敵する初見殺しです。

いや、僕だって上下の歯で舌を噛むようにすればいいっていうのは知ってますよ。ちゃんと義務教育受けてますし、大学4年の時暇すぎて通ってた体験英会話講座で猛特訓を受けたんですから。

言っておきますが、その英語講師(北欧系)むちゃくちゃ顔怖かったですからね!
スキンヘッドで、目が落ちくぼんでて、タトゥーまみれで痩せてて…なんというか骸骨っぽい感じでした。
参照:元格闘家ヨアキム・ハンセンのプロフィールページ

 

そんな講師がこっちをガン見して、上下の歯で挟んだ自分の舌を指しながら↓こんなレッスンするんですから。

講「Death.
私「オー、オーケー。デス」
講「No, look, look. death.
「デス」
講「Bite your tongue, more! death.
私「Death.」
講「OK, next. mother.
私「マザー…」
講「No, mother.
私「Mother...(震)」
講「Death.

この一連の圧迫感は、いまでも脳裏にこびりついています。
なぜその2単語を交互に言わそうとしたのか真意はわかりませんが…恐怖とともに、僕には"TH"の基礎が身にすりこまれたのです。

ただ、こんなのは机上の理論。所詮バッティングセンターで90kmを打てるだけの状態です。実際に会話の中で使うには、あまりにもわからないことが多すぎる。THがたくさん出てくると忘れてしまうし、そもそもdeath(デ)とmother(マー)のように音が濁る濁らないはどこで判断するんだろうとか、いろいろ生乾き状態でTH講座は終わってしまいました。

 

そしてさらに日が進むと、ついに心を折られる瞬間がやってきます。
僕の英語キャリアを殺したのは、たった2つの英単語でした。

まずは中ボス、「birthday」
発音難しすぎるでしょ…いったん”R”で舌を引っ込めさせといてからの"TH"。これには僕も度肝を抜かれました。マリリン・モンローみたいに誕生日の歌うたう時ならともかく、日常会話のスピードで発するにはどうやっても時間が足りないんですよ。

教室の片隅であごをしゃくれさせながら素振りしているうち、
「俺、THやっていけるかな…」とものすごく不安になりました。

そしてラスボスです。
これはもうどうしようもなかった。

「sixth」

これは無理!シックス・スて!
シックスで一回話終わってるもの。
そこから”TH”を発音しようと思ったら…

 

あっかんベーみたいになるじゃん!


これにて、僕の英語キャリアは終焉を迎えました。
英語圏の子供たちが、「sixth birthday!(6回目の誕生日なんだ)」と叫ぶ時、どんな超スピードで舌を噛んでいるのかはもはや気にもなりません。