眠眠カフェイン

横になって読みたい寝言

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声ちっちゃい民の叫び

(THE FIRST TAKEみたいですき)


私、何かにつけて声が小さいと言われてきました。
もともとドライ寄りの声質もあって、営業時代は諸先輩方からことあるごとに指摘されたものです。
「おい新人、声張れ! 今のお前にできるのはそれくらいだろ!」と。
そんなバカでかい声を聴くたび、そんなに期待値低いんだなあ、と順調にモチベを下げる日々。

営業チーム(5人編成)の朝礼で掛け声を担当した時は、
「がんばっていきましょう〜」と日常会話+αくらいのボリュームで言ったら、
「葬式かよ!」と先輩からヤジを飛ばされました。
葬式でそんなこと、フワちゃんですら言わねえだろと心で突っ込みましたが、とにかく声の大きさにこだわる人に囲まれてきたのです。

 

でも、私は直しませんでした。
口ではすみませんといいつつ改善しないんだから、さぞ生意気に映ったことでしょう。
別に、声を出すのが恥ずかしいわけじゃありません。話す相手がおじいちゃんだったら、電車の中だろうと声を張ります。そもそもバンドでヴォーカルもやっていたわけですし、発した時の爽快感もなんかわかる。

ただ、なんというか、オフィスでは心底必要ないと思っちゃうんですよね。

 

日本には謎のマナーで溢れています。ドアノックはは2回じゃなくて3回だとか、乾杯すするときは目下がジョッキを下の位置にするとか。それはそれで(バカだなあ)と呆れつつもつき合いますが、声の大きさはもはや”やられたら嫌なこと”の領域なんです。

居酒屋なんて会話するべき場所なのに、なんで店員はなんであんなにうるさいんだろうか。それを上回るために、客も「最近、元気!?」って猪木くらい声張るハメになってる。そりゃ必然性があれば別ですよ。建設作業員でボソボソささやいてたら、ヒヤリハットの神に雷を落とされてしかるべきであろう。

ただ私はオフィスワーク系なので、声で気合を示され手もプラスにはとりません感じません。取引先の若手が「そうっす!なるほどっすね!うちとしても善処してるっすけど!」みだいだったら、信用できませんもん。お前スピードとボリュームにリソース持ってかれて何も考えて無くない?肩強すぎて打率が.220 じゃない?ってなっちゃう。

 

…というわけで社会に出て20年、ボリュームは変えておりません。
私だって別にエネルギーを節約してるわけではなく、自分的には自然と思える最大限までは声を張ってるんですよ。ただそれ以上がんばると思考が乱れてくるし、叫んでるみたいで違和感があるってだけなんです。それで声ちっちぇえな!と言ってくるなら、もうネムソニックのアンプはあなたの心に響きませんとしか。

とはいえ最近は、あれだけいたはずの「声が小さくて聞こえねえよ!」の民は一切いなくなりました。ただ年を取っただけなのに。結局なんでもいいから、生意気そうな若手を小さくしたいだけなんでしょうね。

…辛い時代を乗り越えた僕が、いまを生きる小声な若手に伝えるとしたらなんだろう。
声をひそめて話すとき、小さい声でも大声を表現する時あるじゃないですか。
「部長がさ、『誰に向かって言ってんだ!』ってキレちゃってさ……」みたいな。あれで十分なんじゃないかと思います。声が小さいうえに元気なさげだと怒られるので、せめて背筋や、顔の表情筋だけでも張っとくといいでしょう。

 

声の大小ではなく、ハキハキしてる方が気持ちいい!っていうのは分かりますけどね。気持ちよいハイキングコース、サプライズでプレゼントを上げた時。「嬉しい!楽しい!大好き!」と帰ってきたら嬉しい時もあるでしょう。
でも、それもキャラとテンションとで一概には言えない。

うちの妻に指輪を渡したときは、
「なにこれ~(☆.。.:*ぽやややーん☆.。.:*)」とふんわり反応でしたが、もちろん私がガッカリするわけないし。
要はキャラですよね。変に迎合せず貫くのが大事だと思います。

…あと最後に思い出したけど、前職では、営業に野球部出身の仲良し3人衆がいてまあめんどくさかった。仕事中も、ずっと交代交代でクイズを出しあってるんです。2002年の成績だけwikipediaから引っ張ってきて誰か当てるとか。

私も最初は大人しくしてたんですが、ある日、野球を結構知ってることがバレてから問題を出されるようになった。3人衆と私のワンフロアのオフィスの端と端で、たまに肉声でもクイズが飛んでくるから答えないといけない。

ネムヒコ君!!!日本ハムにいたマイナー目の外国人言って!!!」
「え!!!じゃあトラックスラー!!!(1994年在籍)」 
「違う違う!!!それダイエーだよ!!!!!!!」
「すみません!!!じゃDTクローマー!!!!!!(2002、2003年在籍)」

あれはあれで気分転換になったし、不覚にも声出すってけっこう気持ちいいかも……となってしまった瞬間はありますが、必然性がないのに声を張るのはやっぱり苦手です。