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元長期ニートの「持たざる者」就活戦略

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つい先日、就職が決まりました。
人生5社目です。

40歳を超えてさすがに苦戦を覚悟していましたが、結局面接したのは2社のみ。
<年収50万超アップ><通勤時間30分→20分に減><勤務時間30分減><残業時間の制限あり><スーツから私服になる>という神条件。自分でもびっくりの引きでした。

ライターは若手採用志向+給与が安すぎたので、「自分が何かを書く」のではなく「どう書くかをコンサルする」という偉そうな仕事を選びました。

もうライターとは名乗れなくなるかもです。
なにより、1日中ゲームができなくなるのが辛くてしかたありません。

 

最近ちょっと説明っぽい記事が続いているんですが、タイミング的にちょうどいいので就活についてのまとめを書いてみます。

こんな日くらいストレートに自慢させていただくと、僕は面接に強い方です。もともとわりと器用なのもあるけど、なんといっても長期ニート後の面接という修羅場をくぐっているのが大きいですね。だって僕、ただちょっと営業かじっただけでOfficeも触れない32歳でしたから。それに比べたらちょっと年齢いったくらい怖くない。

テーマは、「持たざる者」がどう生き残るのか。
長期ニートの方でも構えないで済むくらい、ざっくりと書いてみます。

 

 

この記事がアドバイスする方の想定スペック

すでに何か売りがある方はそれを見せびらかせばいいだけなので対象外。「持たざる者」っていうのはいろいろ取り方がありますが、ようは「自分に自信がない方」に向けて伝えたい感じですね。

いちおう正社員を目指してる方とします。
さすがにバイトすらゼロというのは厳しいものの、人と接する業務を数ヵ月したことがあれば十分キャリアを積んでいけるんじゃないかな。あと結構地味だけど、タイピング早いって相当汎用的なスキル。全然アピールしちゃってください。

 

どこから応募する?(ハロワ?リクナビindeed?)

<長期ニート><3年同じところで働いたことない人>は大人しくハロワ行っといたほうがいいですね。リクナビやらマイナビやらお金かけて求人載せてるところは勝ち目が薄い

ハロワは良くも悪くもいまの社会の体調が分かるので、一度行っとくと勉強になります。こういう求人出てないなーとか、逆にいつも出てるなとか、給料の最低ラインこの辺だなとか。掲載無料なのでむしろ与信が甘く、つぶれかけの会社に当たるリスクはありますが…スキルつける目的で手ごろな会社に入るにはむしろ好都合。給与さえ妥協すれば憧れの業界・職種に携わるチャンスは十分あります。

僕の社会復帰もハロワからでした。「月22万ボーナスなし」を割り切って小さい出版社の編集部に潜入。アシスタントから、メルマガ・コラム・インタビュー取材とちょっとずつチャレンジしていきました。本に関われるなんて想定してなかったし、それだけでモチベ上がりましたね。

 

最近ではIndeedも楽ですが、サポートないし、応募の仕方もまちまち。「この会社存在するの?」みたいな求人もあるので、転職に慣れた人向きかなと。
ただ、うまく使えば堀り出し物を見つけられる可能性はあります。なんというかサイトに濃淡がなくて企業の魅力が分かりづらいので、よさそうな会社も結構スルーされてるんですよね。(僕が今回採用されたのはこのルート)

 

数打つより「じっくりわがまま」に

周りはとにかく「なんでもいいから数受けろ」「希望職種を広げろ」って好き勝手言うんだけど、僕は昔からその言い草が嫌で。だって実際に準備するの自分だし。彼女つくるとき、顔に紙袋かぶせた10人とデートしようってなります? 短期派遣みたいなレンタル彼女ならまだしも。

そんな煩雑なことをするくらいなら、「会社のここが好き」という熱量を育むためのリサーチに手間かけたほうがいいです。好きなことって喋れるし、多少ひねった質問にも柔軟に答えられるでしょ。

こう言っても「いや、実際行かないと雰囲気はわからない」って反論がある。でも今の時代ネットでだいたい分かりますよ。こっちも書類選考するくらいの気持ちで、「はいウェイ系BBQやってるダメー」「はい社長の髪型が反社―」とバカバカ落としていきます。好きだけど自信ないな…って方面は応募しちゃってよし。

 

いざ面接へ、弱者の戦略はただひとつ

シンプルにキャリアがないなら自己分析しかないんですよ。自分という素材が引き立つように味つけして、お口に合わなければしょうがない。

よく、退職理由などマイナスなことは言っちゃだめって四角四面なアドバイスがありますが、別にそんなもん言いようでしょう。最後が「だから御社でやりたい」というポジティブにつながればよし。

僕の場合は、
「リスト通りにひたすらやる!という営業で基本スキルは鍛えられたが、自分の性格的に壁を感じた。もともと凝り性で突き詰めたいタイプなので、好きな”本”に触れたり、御社のようにオーダーメイドのサービスを提供する会社なら特性を生かせるのでは…」と、過去の会社の無策な営業方針を暗に批判しつつ、ポジティブ変換しました。

こんな不器用な俺だけど、キミに出会えて変われそうなんだと。

まあ、実際やったことなら適度に盛って話しちゃいましょう。企業も綺麗なイメージ画像とか使ってお化粧してるしお互いさまです。ブログやってる人ならアウトプットの練習してたとか、アクセスを伸ばすのにやりがいを感じたとか言っとけばいいし。どうせ詳細までは調べられませんから。

 

受け答えのポイント

喋る練習とかはあんまりオススメしません。練習通りにやりたいと早口になるし、流れに沿った応答ができなくなるから。素直に聞きたい、喋りたいっていう自然な心の動きが大事で、キャッチボールがスムーズになります。結局どんな面接でも「こいつ自然に会話できるな」っていうのが最高配点なんですよ。

僕のは自分の強みを”好奇心”だと思ってるので、ここに全振りです。
相手が社長だろうが会話の流れでどんどん質問していく。

ネムヒコさんが前職で苦手だったことは?」
「目立ちたがりじゃないので…Tiktokを立ち上げて自分でも踊る、とかは意外に抵抗ありました」
「あー、今どこの会社もやってますもんね」
「やっぱり若手に敵わないなと。ちなみに社長様なら、社内から出演オファーあればいかがですか? あえて管理職が出ると意外性でバズるみたい例もあるみたいで」

とか。

別に面接って質疑応答じゃないから、あなたに興味がありますよっていう点を押していきます。特に偉い人はそういうほうが嬉しいはず。

 

辛いこと対策(お祈りメールは成長の証)

ニートだったころは
「長いこと何してたの!」
「えっ!Officeもあまり触れないの?」
みたいにツッコまれるのが嫌で仕方なかった。でも、人情味あって自然な会話になりやすいので、怖がる必要はありません。いやあお恥ずかしい、の一言で終わりです。

他には、意識高い会社が専門用語の意味ばかり聞いてきたり、クイズ大会みたいになるおともある。その際、分からない場合は素直に分からないでいきましょう。結果こっちが「分からない」を連発することになったとしたら、それは向こうが失礼で会話下手ってことです。どこかの野党みたいに追及が目的になってしまって、ちっとも建設的じゃない。こちらからお断りでいきましょう。

なんだかんだ、一番つらいのは不採用通知ですね。特にここで紹介するやり方は「相手に愛情をもつ」をベースにしてるので、拒否されるとズーンとくる。でも、これにショックを受けれたら半分採用みたいなもんですよ。ちゃんと向き合ってるってことだから。次、次、って適当にやる方がむなしくなる。

内定を取る”手書き感”の差別化

自分に引け目がある経歴の人は、面接官も「この人経歴どう思ってるんだろう?」と興味がある場合がほとんど。ある意味争点になるトピックなので、そこをあえて自分から立たせちゃう手はあります。すごく変な例えなんだけど、自分が薄毛で、相手は自分の頭頂部に目をやってるとしたら、自分からふれちゃった方がそのあとは楽です。

「なぜ面接に呼んでくださったんですか?」
「ブランクがあるにも関わらず、真剣に向き合ってくださって嬉しかったです」

面接終わりのエレベーターあたりで、こういう”手書き風”のコメントを残したい。面接で多少ポカがあったとしても好印象で終われるし、大きな差別化になります。何事も最後のセリフって強く印象に残りますから。

 

みんな意外に意識していない事実

応募者としては採用・不採用の白黒だけで考えがちですが、企業側からすると「ドラフト1位に断られた時に向けてキープしたい」「別部署が欲しがるかも」「非正規なら可能性あり」みたいに評価にはグラデーションがあったりします。そういう時に向けて、人として誠実な印象は与えておきたいものですね。

実際、僕の社会復帰時にも面接からかなり時間が経ってから電話がかかってくることがありました。面接時は塩対応だったのに妙にニッコニコボイスで。ほかで採用決まったっていったらキョドってましたけど。(私のこと好きな人だっているんだからね!)
まあご自身のプライドが許せば、こんな採用のされ方もあるよということで。

 


***

今回は持たざる者流の立ち回りを書いてみました。
5年くらい働いてなかった30代の僕でも、最終的に20社中4社とか結構な率で内定をもらえたので、悲観することは全然ないと思います。

あと、事務やりたい男性は難易度高いのでハロワから正面突破はけっこう無謀。アポ電とかないタイプの内勤営業で事務スキル磨いておきましょう。人不足気味の中小企業なら、他部署で穴が開いたときに結構スカウトされます。あいつ書類仕事早いんだよな―みたいな感じで。

 

正直なところ、選り好みしなければ就職先はあります。ただ、人生かんたんに割り切れないからこそニートになったり、自信を無くすわけで…そういう葛藤を無視して知った顔でアドバイスする専門家は、ミスマッチを増やすだけなんじゃないかな。

だって誰だってむやみに傷つきたくないんだから。応募者の気を楽にする方向でアドバイスするような存在が、もっと増えてほしいと願っています。