勉強なんてしても何もならない、は本当か?(偏差値70のボーダーライン)
前回の記事に引き続き、学生時代について書いてみる。
今も「偏差値」という概念があるのかは分からないけれど、僕が行っていた中学・高校は偏差値70を超える進学校だった。計算上、偏差値70=カーストの上位2%ということになるから、それなりに優れていたんだろう。
が、僕自身には自分が頭が良いという実感はまるでなかった。パラメータが記憶力だけに振り切っていたからだ。詰め込み作業すら必要なく、さらっと見た教科書の文字やレイアウトを写真のように把握することができた。中学入試レベルの問題は簡単とか難しいとかじゃなく、「なんか見たことあるのばっかりだなあ」って感じだ。
そんなだから、入学後はみるみる落ちこぼれた。学年が上がればだんだんと出題範囲は広がるし、教科書どおりでない応用力が求められる。応用にはクリエイティブを育てる知的好奇心が必要だが、僕にはそれがまるでなかった。
中高一貫校だったこともあり、油断に油断を重ねて、高校2年の終わりには学年で下から10番目のバカに転落した。
男子校に完璧な静寂が訪れた日
中学・高校の6年間を男子校で過ごしたものにしか分からない世界がある。
そこはまさに恋愛スラム。
友はジャングルの奥地にある幻の食材を語るように理想の女子を語り、決して旅に出ようとはしない。なにせ先人からノウハウが受け継がれていないので、誰も方法を知らないのだ。”目覚めたもの”は見よう見まねで変な服を手に入れ、恥ずかしそうに近所をうろつくのが精いっぱい。もちろん、彼に声をかける聖女は存在しない。
20代の頃ひとまわり年上の女性に萎えた事件
大学生のころ働いていたカフェでとある常連客がいた。
アスカさんという女性で、年は30代半ば。いつも閉店30分前くらいにやって来て、3時間居座るみたいな落ち着きでコーヒーを飲んでいた。
カフェは個人経営のオシャレな感じではなくて、有名チェーン店の基幹店。池袋のど真ん中にあり、ランチタイムになると老若男女が戦場のように押し寄せた。
想像すると分かると思うけれど、店員と客が話すことはほとんどない。せいぜい空席確認とトイレの場所について、あとは図々しい注文とクレームくらいのものだ。
その点、アスカさんの来店する時間帯は1日でもっとも隙が多いタイミングではあった。僕が気だるそうに掃除を始めると「もうちょっとだけ居ていいですか?」と聞いてきたり。次第に向こうの敬語が外れて、「レジ打ちが”できる人”って感じになってきたね」と言われたりした。
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