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ギャラリー(野次馬)からギャラリー(展示室)へ|SNS迷惑行為に思うこと

バイトテロ、飲食店のマナー違反、東日本大震災で亡くなった方への冒涜発言。
選ばれしZ世代、”Z戦士”による迷惑が連日のようにSNSを賑わせています。あまりに話題に上がるため、「叩きすぎ」と逆張り勢が発生するほど。

擁護のロジックとして、
「君たちも同じようなことしたでしょう。やってない者のみ石を投げなさい」的なものがありますが、ただやったことと、わざわざ動画にして見せつけるのとはまるで別の話。
「悪酔いして嘔吐した者」と、「悪酔いして嘔吐したさまをネットにアップした者」が同じでしょうか? SNSの迷惑行為から”拡散の意図”を省いた論理なんて、なんの説得力もありません。

 

「昔から同じようなことをする人もいて、それがSNSで顕在化されただけ」という意見もありますが、SNSで発信してることが問題なわけで、これも論点がズレていると言わざるを得ません。文明に火がなかった時代にも火事を起こしそうなおっちょこちょいがいた!なんて話は何の薬にもならないのです。

現在いま特有の問題なら、現在の次元で話をしなくては。
なので、もちろんZ世代がダメな世代とも全然思わないです。比較対象がないので。

 

実は、僕はこの頻発する迷惑行為にそれほど目くじらを立てていません。
この新しいカタチの犯罪行為について、いままさに現在進行形で判例が積みあがってるところ。気持ちは分かるけど、まあ待とうよというスタンスです。
つまり、”どれくらいの罪か”がまだぐじゅぐじゅなんですよね。その犯罪を犯した人の成れの果てがまだ見えていないから、抑止力がない。

若者を突き動かすのは、いつだって憧れの存在です。野球場に来てくれたら〇〇をプレゼント!なんてマーケティングより、坂本や大谷が存在することのほうがよっぽど強い。
それと同じで、現状、バカは良さそうな例だけを見つめて突っ走っています。絶妙なラインを知り尽くした迷惑系YouTuberや、ヒカル氏みたいに尖った”成功者”の数字だけを見て、数字を稼ぐ=勝ち!の脳になってしまっている。失敗例を知らないので当然ヘッジする術もなく、バカがそのままバカとしてお届けされてしまっているわけです。

 

ギャラリー(野次馬)からギャラリー(展示室)へ。フローからストックへ。いずれ、犯罪者の成れの果てが分かりやすく見えてくるとき、やっと、「ああはなりたくない」が効果を生みはじめるのです。

もちろんヤクザに憧れるみたいに、それすらカッケー!と崇める輩はいるでしょうけどね。それはギャンブルでの借金王がいつまでもいなくならないのと同じで、完全には消しきれないでしょう。

 

そのためにも、SNS犯罪者はもっと晒していいと思うんですよね。国は社会復帰させることだけを主眼に置いて犯罪者を隠そう隠そうとしますけど、それだと挽回のチャンスも減ってしまう。

若者にとって一番嫌なのは、犯罪歴がつくとかデジタルタトゥーがどうとかじゃなくて、”社会に適応させられること”だと思います。前科がつくだけだと、開き直ってそれを売りにして活動しかねない。
なので、政府公認の動画プラットフォームみたいなものを作って、そこに謝罪動画をアップさせてはどうでしょうか。虚偽報道には謝罪広告があるように、迷惑動画には謝罪動画をセットにして、いつでも誰でも見られる状態にしておくんです。

今の時代、調べたら名前も顔も出てきますし、どうせならちゃんと謝ったという形で決着させておいたら。さらに本人が望めば、自分はちゃんと更生しているという動画を追加でアップしてもいい。それなら本人にとってイメージアップのチャンスになるし、汚れ切ったタトゥーで事を終わらせないで済みます。

 

法律が加害者を中途半端に隠そうとするから、半グレYoutuberみたいなのがバズの種だと手を差し伸べて、またややこしくなる。スーツ着て「謝罪します」なんてサムネにしつつ、舐め腐ったダンスを踊ったりする不愉快セカンドレイプが生まれる。それなら、国が検閲するカタチにすればいいんじゃないでしょうか。

良い例も悪い例もオープンに世の中にアップして、迷惑行為の行く末がどうなるのかを想像させる。そっちのほうがよっぽど犯罪抑止を加速させるんじゃないかと思います。
動画プラットフォームの名前はツイヤッチャッターでも、イキッテタグラムでもなんでもいいんですけど。絶妙に恥ずいやつがいい。