眠眠カフェイン

横になって読みたい寝言

眠眠カフェイン

冬には髪をひときわ短く切ってしまう(美容院変えられない問題)

外が寒いほど
「短めでお願いします」
と言ってしまう癖がある。
きっと風を感じて、頭を冷やしたいのだろう。

 

年末には世の中のいろんなものが区切りを迎える。
お笑い、格闘技、歌、それぞれの仕事。

本当は問題も山積みと分かっているのに、袋に入れて、口をぎゅっと縛って、その時間だけは安静に過ごすのだ。
僕にとっての髪切りには、それに加えて禊の意味がある。毎年のように、誰かに迷惑をかけて生きているから。

 

結局、こないだ入った変な会社は数日で辞めた。
待遇ではなく、信頼面がぐらぐらしている状態では下手に長く続けない方が良かった。もう一過性の気まずさにとらわれる年齢でも、時代でもないのだ。

 

いまは前職の知り合いの紹介で、とある企業と面談を進めているところだ。多分来週には目途がつくだろう。

人事担当の人は僕と同い年で、波長も合う。
「運命感じちゃいました」
なんて茶目っ気のある言葉もいただいた。

その企業は日本人なら誰でも知っていて、僕の経歴では正門から入れないようなところだ。求められるものが高く厳しい戦いになるが、もし縁があれば仕事人生をかけてみたい。

 

そんなこともあって、来年頭には思い切って髪型を変えようと思っている。
とりあえずセットしやすく梳いてもらって、気分でツーブロックにするか…くらいを延々繰り返してきたのだけれど、はっきりと別物に変えてみたくなっている。許されるなら久々にパーマでもかけてみようか。広告&書く系だし、なんとなく社風からして許される気がする。

 

いま行っている美容院にも何度か
「おまかせするので、全然別の髪形にしてください」
と頼んだことはある。

快諾してはもらえるのだけれど、僕にはそれしかないと思っているのか、引き出しがないのか、決まって同じ方向性の髪形にされる。店主も同じような髪形。で、最近店に顔に出す息子さんも同じ髪型。なので、帰り際に親子で見送ってもらう際には3人が同じ髪型になってしまう。

そろそろ店を変えた方が良いのかもしれない。
もう通い始めて15年にもなり、お互いに知りすぎてしまっているから。

 

とはいえ美容院を変えるって難しい。
僕は生まれてこの方、ほぼ3つのお店にしかお世話になっていない。メインの店を変えるのはまさに10年に1度の珍事なのだ。

1店目は父親の馴染みの床屋。小さいころから通っていたが、思春期に入り父親と話題を共有するのが嫌になってやめた。

2店目は家から50メートルの美容院。バンドが趣味の店主が1人でやっていて、ギャンブルと風俗の話ばかりしてくるので良い社会勉強になった。人間性こそアレだが勉強意欲は高く、サービスでいろんな髪型してくれた。おかげさまで、僕は赤・青・銀などいろんな髪色を経験できた。
店主が酔いつぶれて道端で寝ているのを見かけて間もなく、夜逃げして終了。

で、3店目が今の店である。27歳くらいから通っているから僕の家族についても知っているし、映画、ギター、スポーツ等々バチボコに話が合う。

 

もちろん、まったく新しい店を試してないわけではない。コロナ最盛期には近所の店を開拓したこともある。ところが話に夢中で全然切らないとか、何も指示してないのにシンプルに右サイドと左サイドの長さが違うとか、なにかしらの不満を見つけて2度と行かなくなってしまう。でも思い切って髪型を変えるなら、それくらい合わないほうが良いのかも。

どうせなら最新のお店に行ってみたい。
座った瞬間イスが水平方向に激しくスピンするとか、VRで切られた自分の髪が小さな妖精さんになるとか。

散髪、っていうくらいだし、もっと行き当たりばったりでいいんだろうな。