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【卓球】激カワ後輩ちゃんとの激闘

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ちょうど書きかけの文章があったので、今週のお題「わたし○○部でした」に乗っかってみようと思います。

 

僕は高校時代、卓球部でした。
東京の、私立の、団体の部で、3位。ときわめて微妙な実績を誇ります。

筋トレもほとんどしないし、遊びで始めた左手プレイの実力が利き手の右に迫るくらいのヌル勢。高1から高2に上がったときも、まあ下級生には負けない程度に頑張ればいっかー、くらいの感じでした。

 

ところが、そんなのほほん卓球部に緊張が走ります。
入ってきたんですよ。

ひとつ年下の怪物が。

中学のなんたらとかっていう大会で優勝したスーパールーキーが―――。

 

怪物の名は梅沢(弟)。高水準のオールラウンダーで、練習をひと目見ただけで、あらゆる能力値が僕らの代のメンバー平均を大きく上回っているのが分かりました。バネも違えば集中力も違う。

そして、華も違いました。とにかくかわいらしい。髪はクリクリでタレ目、肌なんてふわっふわです。将棋の女流棋士でいうと北村桂香さんみたいな、小動物的な愛嬌がたっぷり詰まった子でした。男子校でなければさぞ人気を博したことでしょう。

 


(弟)くんがいるからには当然(兄)さんがいます。梅沢(兄)も同じ卓球部で、僕のひとつ上の先輩。こちらもベースはかわいい系ですが精悍さも兼ね揃えており、将棋の棋士でいうと村山慈明さんみたいな感じでした。
(卓球なのに将棋ばっかで喩えてごめんね)

 

 

ということで3年生が引退するまで、僕はこの梅沢兄弟に挟まれてプレーすることになりました。弟のことは「ウメちゃん」と呼び、お兄さんは「梅沢先輩」と呼び。

今まで下級生に興味なかった梅沢先輩が、弟が入ってから変に厳しくなったのを覚えています。弟を鍛えたかったのか、単にかっこつけたかったのか知らんけど。

 

 

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僕らの代(2年生)が突然の侵略者インベーダーを恐れたのには理由がありました。

それは、1・2年全員参加で定期的に行われるリーグ戦。A~Dクラスまで各8~10人で競い合い、下位と上位が2~3人ずつ入れ替わるという、まさに将棋の順位戦みたいなやり方をとってました。

完全実力主義です。下手すると夏頃には当たって負かされてしまう。むしろ中学時代の実績を考えれば、全勝されてしまう可能性が非常に大きかったのです。いくらヌルヌル卓球部でも、さすがにそれは格好悪い。はっきりと口には出さないものの、2年生はみんなそう感じていたに違いありません。

 

しかしヤツは無慈悲にも最短距離で駆け抜けました。
ただの1度も負けることなく、最上位のA級へ。

 

A級には僕を含む2年生が9人。
そこに、唯一1年生の梅沢(弟)という道場破り的構図です。

全然そんな校風でもないのに、その期のリーグ戦だけはほんのちょっとだけピリピリムードが漂っていました。たとえ草食動物でも目的を一つに9匹集まるとそれなりに迫力が出るものですね。

 

一方で練習場を離れれば、僕とウメちゃんはひたすらじゃれあう間柄となっていました。

ウメ「ネムヒコさん、またあれやってくださいよ!」
ネム「ちょ、お前こんなとこで。駅前だぞ」
ウメ「いいじゃないですか一回だけ!」
ネム「仕方ねえなあ。よく聞いとけよ」
ウメ「ワクワクo(^o^)o」
ネム「果て~し~な~い~♪(口を曲げて歌唱)」
ウメ「うわぁ、やっぱり似てますね! ネムヒコさんの松山千春!」
ネム「あんまりのせるなよオイ。マックシェイクでいいか」
ウメ「いいんですか? ごちそうさまです!」

日頃こんなやりとりをしているかわいい後輩と戦わなければいけないなんて。
僕だけ他の人とは種類の違う葛藤がありました。

 

そうこうしているうちに、同級生たちは次々と斬られていきます。

1回戦、トミーが負け。
2回戦、ジャイアン(本名たけし)が負け。
3回戦、No2のシゲちゃんが1セットとるも負け。かなり焦る。
4回戦、せきせきが負け。
5回戦、キンコが負け。
6回戦、岩ちゃんが負け。
7回戦、サカケンが負け。
4回戦以降は「21-5 21-7」といった大差のストレート負けでまったく見せ場なし。

そして8回戦、ついにキャプテンの松ちゃんが負け。
青梅のだだっ広い家に卓球練習用マシーンを備えつけ、女子と遊ぶ間も惜しんで(?)、土日もトレーニングに身をささげた猛者がやられたのです。当時、ほぼウメちゃんと同時期に現れた超新星広末涼子にうつつを抜かしていたとはいえ、そう簡単に負ける実力ではありません。

 


ヤベエ:(;゙゚''ω゚''):。

 

立ちはだかる男はあと、ただひとり。
Aリーグで3~4番手をうろうろしていた私・ネムヒコです。

もちろんプレッシャーはありましたが、一方で初対戦の相手には簡単に負けないという自信ももっていました。
なぜなら僕には絶対の武器があったからです。

まさに一点突破のランチェスター戦略。


いざ勝負。

 

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試合中、ウメちゃんはいつもと一味違う表情で僕をにらみつけます。
(でもかわいい)

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結果は‥
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ネムヒコの勝ち。


セットカウント2-1の辛勝ではありましたが、ほぼ全セットでこちらがペースを握る展開となりました。
秘訣は、卓球界が誇る初見殺しテクニック。

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サーブ
です。

ゲーム風にいうと”きようさ”全振りの僕に神が与えた技。否、術。
僕は10種類以上の打ち方を使い分け、リズムを変えながら、的を絞らせないよう徹底しました。

卓球は交互に5球ずつサーブするルールなので、自分がサーブの時はほぼ確実に3点以上を取ることができました。これは心理的にもかなり大きい。

うまくいけば1球目(サーブ)で仕留めることができるし、なんとか相手が返してきたとしてもコースが限られているので、3球目を狙い撃ちすることができます。早い勝負になれば、センスや身体能力の差はあまり関係ありません。

 

実際にそれを証明したのが都大会の個人戦。幸か不幸か僕の対戦相手がことごとく不戦敗になり、ベスト32まで進んでしまった時のことです。なんと全国大会優勝者と対戦することになりました。

坊主にハチマキなんか巻いてるし、とんでもない負け方をするんだろうなと思いきや…結果は「21-16 21-18」と善戦風。試合が終わった後、ハチマキ君から「君のサーブ、わけわからないよ!」とお褒めの言葉をいただいたほど。(負けてるけど)

 

とにかく動きたくない。練習したくない。
そんな不純な動機から磨き続けたサーブ特化の戦術が実を結んだのです。

こうして僕は先輩の名目を保ち、同級生たちの間で1カ月くらいだけプチヒーローになりました。まあその後ウメちゃんには勝てなくなっていくんですが、最初勝っとくってなんかいいじゃないですか。

 

その後の人生を考えると、あのサーブ戦術は非常に象徴的というか。
自分の得意と興味をうまく生かしていたんだと思います。

〇手先の器用さ、リズム(ギターに通じる)
〇1~3球目の「3手一組の読み」(将棋に通じる)
〇弱者が勝つための特化・局地戦(WEBマーケに通じる)

 

卓球の大会では顧問から「ネムヒコ動け!動け!」とえんえん言われ続けたし、ニートになってからは親から同じことを言われたし。これから先の人生も、極力動かなくていいようにキリギリス作戦で頑張っていきます。