眠眠カフェイン

横になって読みたい寝言

眠眠カフェイン

”怒られ体質”の僕が学んだトラブル回避4カ条

昔から何かにつけて怒られてきました。
新卒の時、若手4人で工場に駆り出されて段ボールに商品を詰める仕事をやったときは「3人は頑張ってたのに、お前手抜いてたらしいな」と一人だけ注意されたことも。

でもそれ、A→B→C→Dと4人でセットの仕事なんですよ。Cだった僕がサボれば全部止まってるはずだし、もちろんそんなことはなかった。今考えてもだいぶ先入観もたれてたなって思います。

 

標的にされやすい理由はなんとなく分かっていて。僕が「必死にやってる感」を出すのが苦手だったり、あんまり態度がビクビクしていないっていう部分があるのでしょう。若手ならもっと戸惑いながら必死にやれよっていうね。

面接とかはこの辺がプラスに出て、役員とか経営者の方から「君、肝座ってるね」となったりするんですが。

 

いい加減ストレスがたまって言い返したりすると、今度は見事に悪者になります。
これはこれでまた理由があって、たぶん相手は僕が言い返してくると想定してないんですよね。普段ヘラヘラ笑ってることがせいか、軽く言い返しただけで「えっ!?」みたいな反応をされがちです。

 

たとえば、僕が営業をしてて、デザイナーの女性(同世代)とこじれたとき。向こうが
「デザイナー的にはそういう進め方嫌なんですよ、意味分かります?」
ってまくしたててきたから、

「分かりました。では営業の目線では『意味わかります?』って失礼な言い回しなんで今後はやめてもらえます? 口癖ですよね?」
って返したら泣いてしまった。

僕以外は女性の職場だったため、その後しばらく誰からも口きいてもらえない惨事に。無遠慮に噛みついてきたのは向こうだし、わりと平常心で返したんだけどなあ。

 


20~30代半ばまでは怒られても「悪くねえし」と強がってましたが、いい加減怒るのもみっともないし、いちいち言い合って関係修復するのにも疲れてしまって。そこからは仕事上のテーマを”かわいげ”に設定、柔軟性を高めることに専念しました。

おかげさまでトラブルの回数も順調に減ってきています。

 

数々の怒られ修羅場を経験した僕が、特に大事にしているのは以下の4つ。後悔をたくさん煮詰めて抽出した秘伝の品ですよ。

特に正義を振りかざしがちな方に見ていただきたく候。

 

1, 悪くなくても謝る

やっぱり荒ぶる人って地雷ポイントが共通していて、特に謝罪まわりでひっかかることが多いように思います。そんな方にはシンプルながら最も難しいのがこれでしょう。なぜ自分だけ?悪くないのに?と言いたい気持ちは痛いほど分かります。

でも、まずはトラブルの一因になったことを一言謝っておいたらいいんですよ。念書書けとか、土下座しろとか、3回謝ったら退場とかじゃないんだから。

そのあとも肝心で、「すみません。でも、」の即反撃は×。
「すみません気をつけます。では、〇〇からあらためてお話し合いをお願いできますでしょうか」とあくまでリセットした空気でいきましょう。

回数は要りません。すいませんすいませんすいません、と連打するのは逆効果で、そっと1個置いとくのが重厚感あっていいんです。

 

2. 余計な言葉なしで謝る

気持ちの上ではカタチだけの謝罪でも、それを悟らせたら負けです。

「ああ、そういう取り方もあるんですね。誤解させたようですみません」
とかは責任転嫁してるので最悪解。

「なるほど一理ありますね。〇〇の必要性をあらためて感じました、すみません」
も相手を立てているようで、なんかアピールが入ってるんでダメです。相手にはコイツまだなんか言いてえんだな!としか映らない。

とにかく謝りながら何かするのは絶対にやめたほうがいい。不純物ゼロ、エクストラヴァージンがオススメです。


3. 謝らせたら謝る

近頃話題のコメンテーターなんかを見ていると、とにかく表情を変えずに相手を黙らせたら勝ち!メンタル強者!ともてはやされがち。
しかし、長い関係性を築く上ではそうはいきません。

ビジネスはもともと相手を打ち倒すのが目的ではないので、もし謝らせてしまったらどんなに憎くても「こちらこそ申し訳ない」がセットです。こういうのは子供の頃に習うはずなんだけど、案外大人だからこそできないもので。


4. 刺したい時は褒めてから

まずは事態を乱したことを謝って、建設的な場にしましょうと前置きした後の話です。

やっぱり相手にしっかり言っておきたいことってありますよね。そんなときはぜひ麻酔をかけてからにしましょう。「言いにくい事ですが」と万能クッション言葉をかけるのではなく、「〇〇さんは理解力の高い方なので」といった”その人だけの褒め”を入れる。こうすることで、気持ちが高ぶってすべてが反論にしか聞こえない相手を正気に戻すことができます。

何事もギブアンドテイクというか。相手の欲求を満たさずにこちらの言い分だけは通しづらいものです。

 

***

以上、4つのポイントを挙げてみました。
謝罪に関することばかりですが、これを「情けない」ととるかはその人次第。でも、海外はともかく日本で謝罪=悪ではないし、毅然と認めるところを認める態度はプラスにしか働かないんじゃないでしょうか。

絶対謝らないぞ!という人のほうがむしろ謝罪の価値を過信し過ぎているというか。

絶対譲れないもの以外はホイホイ譲っておくくらいのほうが、快適に世の中を歩けるような気がします。特に、もともとピュアで正義感強めの人にとってはね。