眠眠カフェイン

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ギターは”かもしれない”で挫折する

気づけばギターを25年以上抱いてきました。

自慢できるほどの腕前ではありませんが、暇さえあれば一人カラオケでストレス解消ができる便利さは代えがたく。生涯の趣味にしようという意思はすでにかたくもっております。

とはいえ、ギターは初心者の9割が辞めると言われる趣味。僕も過去には挫折しかけた瞬間がたくさんありました。周りに聞く限りわりとみんな似たようなポイントで悩むみたいなので、そのあたりをまとめてみたいと思います。

 

 

 

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STEP1. 楽器屋の壁(下手だと思われるかもしれない)

ギターは基本かっこつけるために買うものですから、人によっては最初の楽器屋ですらプライドとの戦いになります。何を試し弾きすればいいのか?通と思われるには?なんて、初めてだっつってんのに気を張ってはいけません。ワイン飲んだことないのにいきなりクチュクチュやったってモンダミンと同じですから。

楽器屋の店員さんは大体少数精鋭で暇そうにウロウロしてますし、「初心者なので教えてください」といえば喜びますよ。

ただし素直過ぎるのはバツ。次項STEP2の落とし穴に注意です。


STEP2. 愛着の壁(変なギター買っちゃったかもしれない)

楽器屋によっては、初心者を見つけると露骨に自社ブランドを買わせようとしてくることがあります。なんとなくで購入した結果、ネットで「あんなダサいギター誰も買わない」なんてコメントを見て一気に落ち込むことも。

もちろんモノはいいですから、ブランドにこだわらないタイプの方は店員の言う通り買ってしまってもOKです。周りが<トヨタ>だ<ホンダ>だ言っている中、マイノリティとして<マツシン>とか書かれた謎車に乗っても構わないというのであれば。

失敗を防ぐには、最低限候補を絞っておくといいかもです。好きなアーティストが使っているヤツ。見た目がとにかくかわいいアイツ。少しでも思い入れのあるパートナーと出会えれば、ギター人生脱落の可能性も減るでしょう。そういう意味では、とにかく激安!というより少し奮発するくらいがいいかもですね。

 

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ちなみに僕の初ギターは、ハードオフでおばあちゃんに買ってもらった白×黒のジャンク品。所々ガムテで補強して初ライブをやりました。いわゆるノーブランドでロゴもなかったので、変な見栄とは無縁でした。

 

STEP3. 指痛の壁(自分の指、人より短いかもしれない)

「指先は神経が集中して痛みを与えるのに最適です」(立華鉄/龍が如く0

ということで、買って何日かは指が少々痛みます。


まず気になるのが、弦が指肉にぐっと食い込む痛み。といってもスポーツでできるマメとかに比べたら比べ物にならないくらい楽だし、すぐに皮が硬くなるのでどうってことはありません。ここは離脱率が割と低め。

問題は、指が開かなくて痛いというパターンです。これは身体的な痛みとともに、思ったようなフレーズが弾けない心の痛みを伴うので厄介。
「私じゃ指短すぎるのかも」、古いところでは「ドカベン殿馬みたいに指の根元(水かき)を切除したい」をはじめありとあらゆる言い訳が浮かびますが、全部錯覚なのでご安心ください。
ジャズ界の伝説ジャンゴ・ラインハルトは指3本。BABYMETAL“神バンド”の藤岡幹大さん(故人)も小柄でしたが、凄まじいテクニックの持ち主でした。

あとそんな指広げるフレーズないですよ。あっても他の弾き方で代替できる。

 


ずっとやってるとちょっと指伸びます。(僕は右利きなので左が伸びる)

 

 

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STEP4. Fコードの壁(握力足りないかもしれない)

ギター山脈にそびえたつ「Fコード」の壁(↑の画像)。幾多の初心者を奈落に突き落としたシリアルキラーです。

ただ、タネさえわかればこれぞ錯覚の最たるものというか、なんで悩んでたのかすら恥ずかしくなるほどのものでございます。

しいて言えばFの位置が端っこだからほんの少し音が鳴りづらいってだけなので、まずはもっと楽に抑えられる同じ形のコード(AでもBでも)で練習するといいでしょう。コツは指だけじゃなくて少し手首をひねること。力はガチで要らないし、もし同じ出力で赤ちゃんの手ぎゅってやってもゲラゲラ笑ってると思います。

コードができれば弾き語りができる。いわば言わば「楽しさの壁」であるはずなんです。こんな障害物、馬飛びでピョンですよ。


STEP5. 通し練習の壁(1曲弾くのに1年かかるかもしれない)

はっきりとコレ!というより、とにかく細々とした挫折ポイントがたくさんある時期です。


一人のときは、

・弦を張るのがめんどくさい
教則本の読み方がわからない
・テクニックの正解が分からない(今はYoutubeがあるから最高です!)
・アンプ通すと雑音だらけ
・録音聴いたら下手過ぎてワロタ


バンドを組んだら組んだで、

・座る→立って弾くで感覚が全然違う
・ギター重い
・機材調整が難しい
・なんで練習してこないんだと言われる
・うちのバンド全員下手すぎて草


などなど嫌なことが次々に襲い掛かってきて大変です。ようはそれを上回るモチベーションがあるかなので、僕のオススメはバンド組んじゃうことですね。やっぱり先先の予定があると張り合いになりますから。ギターもってただ電車乗っただけで、注目されてる気がするし。


STEP6. アドリブの壁(成長止まったかもしれない)

なんとなくサマになるようになったけど、弾けるのは練習したフレーズばかりで、自分の発想がない。せっかくギターに身体がなじんできたのに辞めてしまう、もったいない時期です。中学~高校初期に始めた人ならちょうど大学に入るあたりかな。

この時期は、カンタンな音楽理論を覚えたりすると良いです。「ギターに理屈じゃねえ!ソウルだ!」と変な縛りをつくるのはバンドマンあるある。それでも、やっぱり基本ってやっといて損はないと思います。

まったくゼロの時だった初心者時代に比べてずいぶん指が動くようになってるので、地味な練習(ジミレン)も意外と楽しい。ドレミの位置とか、度数とは何かとか、本当に初歩の理屈でも、気がついたらガラスのアドリブ階段上ってるんで。

 

STEP7. 過信の壁(極めたかもしれない)

頭で思っている音をそのままギターで鳴らせたら、、音楽の世界が一気に色づきます。誰にも頼まれてないのに、ブルゾンちえみの曲に合わせて余計なギターソロ弾いたりして。

ただし…調子に乗るときほど意外な落とし穴に注意💀

理屈に味を占めて、一気にフュージョンやジャズまで行こうとすると、逆に身の程を知らされることに。ジャズは理屈を超えたあえて外すオシャレなので、ニワカが手を出すと困惑します。ファッションショーの服見て「乳首出てるじゃん…」とついつぶやいてしまうように、常人には哲学的すぎるフレーズだらけなのです。頭でっかちで勉強のために始めるより、本当に好きになったときに手を出すべきジャンルだと思います。


STEP8. 人生の壁(ギター弾く暇ないかもしれない)

楽器禁止のマンション。寂しがりやの奥さん。
ライフイベントに重なってしまったら仕方ないので、一旦きっぱりあきらめましょう。

うちの妻は昔から理解があるので、
「今日はまた社長がさあ\ジャーン!/、余計な一言を言ってくるから\キュイーン!/、後輩と2人で飯食って愚痴ってたら\ピロピロピロ.../、会社に戻るのが遅れちゃったよ(ウインドミル奏法)」
みたいな感じで話してても怒られたことはありません。Rock'n Wife。

時には尖った心をしまう。
気兼ねなく弾けるからこそ、喜びを爆発させられるのです。まあちょっと押し入れに入れたくらいじゃ、ギターは熱を失ったりはしませんよ。


***
以上、8つのギター挫折ポイントでした。
もしギターを握って”かもしれない”が浮かんだら、だからなんだ!やる!とルフィみたいに叫んでみてください。

めんどくさいが最大の敵。
めんどくさいを楽しくするのが上達への道。
ぜひ愛機を見つけて、一緒に人生を駆け抜けていきましょう。

次にギターを始めるのは、あなたなのかもしれない。

 

 

see ya!