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「趣味・将棋」のいいとこ&わるいとこ

僕は30歳近くで将棋に出会いました。
何か新しいことしたいな、って方にはけっこうオススメです。

ただキャラの濃い趣味でもありますし、変な手の出し方をすると危険なところもあったりします。その辺の良し悪しを簡単にまとめましたので、興味がある方は目次で気になるとこだけでもご覧いただけたら。

 

 

■いいとこ

忘れ物が減る

僕はあまりモノに執着しないので学生時代は忘れ物名人でしたが、将棋を始めてから確実に減りましたね。角とか飛車とか王様とかうっかり取られるとほんと叫びたくなるし…財布落とした並の衝撃を頻繁に味わっているうちに、さすがに注意深くなりました。


決断力がつく

将棋は最初「手を思いつく」のに苦労しますが、ある程度慣れると「どれにするか迷う」方が増えます。制限時間内で決断を下すのは、優柔不断民にはいいトレーニングになるはず。

ただ子どもとか理系の方はパズル感覚で解けても、僕みたいな<オトナの文系>はけっこう”良い手”の根拠が難しいところがあって。そんなとき役立つのが方針の言語化。良いときは局面を落ち着けて、悪いときほど動くとか。こういう思考の道筋をつける作業はビジネスでも役だつと思います。

僕はもう、ゲーテよりコトラーより羽生善治の言葉が響く身体になってしまいました。

ノーマネーでOK

お金はびっくりするくらいかかりません。ネットでフリーの将棋盤アプリ落として、ブックオフで100円の将棋入門でも買えば準備OKです。基本ルールは江戸時代から変わってないし、入門書に新しいも古いもありません。

暇つぶし適正ありすぎ

慣れてくると頭の中でエア将棋盤を動かせるようになるので、なんだかよくわからない法事に呼ばれた時など、詰将棋つくって遊んだりもできます。エロい妄想とかと違って、自然と神妙そうな顔になるし。

商談で一発かませる(段持ち限定)

経験上、経営者とかであんまり将棋強い人見たことないです。でも、みんな将棋界は注目してたりする。そんな時「僕将棋指すんです。まあ段的なものも持ってるんでゲスが」とさりげなくアピールできれば、一目置いてもらえることも。その際、「藤井君ってやっぱり強いの?」と確実に聞かれるので小話を用意しておくこと(間違えても、「聡太と猛どっちですか2人いるんですけど」とは言わないように)。

ちなみに僕も一応段レベルですが、正式に認定されるためには将棋連盟に大金を払わないといけないのでやってません。
政治家とかでアマ6段!とかはお金払ってるだけのパターンあり。

 

メガネのおじさんがカッコよく見える

将棋界の近眼率は異常。頭脳労働でカロリーは使う&筋肉はつかないので、だいたいの棋士が「メガネでひょろっとしたその辺のおじさん」に収束していきます。そんな方々の常人離れした体力、発想力、精神力、勇気を見ていくうち、審美眼も一変するはず。普段は風景の一部と化しているであろうおじさん達が味わい深く見えますよ♪

将棋連盟の総本山・千駄ヶ谷で疲れたおじさんを見かけると、「実はプロでいま100手くらい読んでるんじゃ…」と勘ぐってしまいます。

※(こぼれ話)将棋連盟会長・佐藤康光九段について
組織のトップにしてとんでもない御方です。
将棋って簡単にいうと「金とか銀とか素材が散らばっていてそれをどう加工するか」みたいな競技。だいたいの人が銀を武器に、金を防具に加工するんですが…佐藤康光会長はそういう常識が通じなくて、いきなり銀をブラジャーにするみたいなとこあります。人呼んで「変態流」。

 

面白すぎ(重要)

ファンとしては強調してもしきれませんね。
勝負・芸術・研究の美しさを感じることができる。知れば知るほど、です。


将棋の本は読んだ瞬間だけ強くなると評判で、ある意味ジャンルは自己啓発です。実際指してみると「本に書いてない!」って展開になってぼろ負けするんだけど。でも買っちゃう。

■わるいとこ

性格変わっちゃうかも

やっぱり勝負なので、相手がいかに嫌がるか?を考え続けるうちに性格が曲がりやすい側面はあるかも。「勝ちに徹する」が「もう勝負が決まっているのに痛めつける」まで行きすぎてしまったり。DQNが車のハンドルで覚醒するように、陰の物が初めて手にした強さに制御利かなくなる光景を良く見ます。

あくまで武士道、マナーは気をつけたいものですね。

沼る

ネット環境が整備されて以来、将棋はいつでもどこでも毎日見られるものになりました。それでいてお金はかからないので、やりようによってはどこまでも沼にはまってしまう。僕も仕事終わりに風呂で詰将棋解いて死にかけたことある。

気がつくと将棋語になる

なんJほどではないものの、将棋用語にも「味がいい」「スジに入る」「切らす」とか絶妙に日常でも使いやすいのがあって、気づいたら毒されるので注意。生粋の将棋民は「同飛車大学」「両取りヘップバーン」くらいまで行きます。

 

身の程を知らされる

将棋にはパワーも人生経験も関係ありません。始めたての時期は皆等しく負けまくります。とんでもなく強いと思ったら相手のハンドルネームが「shota_20120817」で愕然とすることも。プライドが傷つくと立ち直れない方はくれぐれもご注意を。

逆に言えば、負けたときにこんなに自分のせいだと思えるものもありません。自分なんて大したことがないんだな。そんな風に人生観をリセットするにはもってこいです。

ファンの民度は絶賛低下中

最近はプロの対局(試合)にもAIで点数がついたりします。それをタテに、どんなヘッポコ将棋民でも「プロよえー」「ここは3二歩一択だろ」とか書き込めてしまうので、ファン同士の煽り合いが起きるのも日常茶飯事。

なんでもそうですけど、始めたて(無垢)→かじる(調子乗る)→半端に強い(暴走しがち)→プロ並みに強い(聖人化)ってところはあるので、あんまり一般層に期待しないでいただけると。

全然モテない(重要)

大トリはやっぱりこれですね。
数ある趣味から将棋を選ぶっていうのは、Excelのカラーパターンで薄い茶色を選ぶみたいなもの。「地味」「古そう」「なんで将棋wwww」の誹りは免れません。

僕も昔骨折で入院してる時にテレビで将棋見てたら、看護師さんが入ってきて
「えっ何見てるんですか!渋っ!」って言われたことある。
なので、そうしたイメージを客観視しつつ、女性にはギターや映画を前面に押して生きてきました。将棋はあくまでギャップ演出の変化球。

いいですか、もしお子さんに将棋を覚えさえたい親御さんがいたらよくお聞きください。将棋は立派で有益だとは思いますが、女性受けを損なう一面を軽視してはいけません。王様と女性は同時に追いかけられないもの。人への興味も、服への興味も、後回しになってしまいます。それがどういうことか。七冠を取りながらアイドルを仕留めた羽生さんはレジェンド中のレジェンド。軽い気持ちで…


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以上、まとめでした。
最後は男子校出身者の杞憂が爆発してしまってすみません。

良いとこ悪いとこありますが、個人的にはガッツリではなく「ライト目なサブ趣味」としてもっておくとこんなに便利なものはないと思ってます。

最近は”見る将”といって自分はまったく指さない人もいるけど、それだとちょっともったいないかな。少しでも指せると全然違うし、欲を言えばアマ初段くらいまでいけたらぐっと面白くなりますよ。